【院長日記】がんばり続けるために 介護者に必要なのは“休む勇気”

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介護者に必要なのは“休む勇気”

こんにちは、院長の齊藤航平です。
今日は「ご家族だけで抱え込まない介護」について、私が日ごろ感じていることをお伝えします。

まずお伝えしたい結論
私は、頼れるものは遠慮なく頼っていただきたいと思っています。
介護は先の見えづらい長い道のりです。介護を担う方が心身ともに疲れ切ってしまうと、ご本人もご家族も穏やかに暮らすことが難しくなります。

なぜ「無理をし過ぎない」ことが大切か

  • 期間が読めません 介護は数か月で終わることもあれば、10年以上続く場合もあります。最初に力を使い切ってしまうと後が続きません。
  • 介護者の健康が揺らぎます 慢性的な睡眠不足や肩・腰の痛み、気持ちの落ち込み――これらが積み重なると、ご本人を支えるどころではなくなってしまいます。
  • 結果として在宅生活が続きにくくなります 「自宅で一緒にいたい」という思いがあっても、介護側が限界を迎えると入院や施設入所を選ばざるを得ない場面が出てきます。


「預けること」へのためらいについて
「本人が望んでいないのに、施設やサービスに頼ったら見捨てることになるのではないか」と感じる方もいらっしゃると思います。
でも、そんなことはありません。

たとえば、幼稚園に赤ちゃんを預けて働くお父さんお母さんに対して、「子どもがかわいそうだ」と言う人はほとんどいませんよね。
それと同じで、必要なサポートを使うことは、家族を大切に思うからこその選択だと、私は考えています。

また、介護者さんが適度に休めていないと、どうしても患者さんに対して優しく接する余裕がなくなり、お互いが不安定になってしまいます。
それは誰にとっても良い結果にはつながりません。

具体的に頼れるサービス例

  • ショートステイ(短期入所)
    • 数日~1週間程度、専門施設に宿泊していただき、ご家族がまとまった休息を取れます。
  • デイサービス・デイケア
    • 日中だけ施設で過ごすことで、体操や入浴支援を受けながら、ご家族は昼間の時間を自由に使えます。
  • 訪問看護・訪問介護(ヘルパー)
    • お薬管理や入浴介助、掃除・買い物など、「ここだけ手伝ってほしい」という部分を柔軟にお願いできます。
  • 福祉用具レンタルや住宅改修
    • 手すりやベッドの導入で介助の負担がぐっと減ります。区市町村の補助制度もありますので、ぜひケアマネジャーにご相談ください。
  • レスパイト入院
    • レスパイトとは「一時的な休息」という意味です。病院に短期間入院していただくことで、ご家族が体と心を休める時間を作ることができます。 急な疲れや、まとまった休息が必要な時に利用できる仕組みなので、ぜひ覚えておいてください。


「それでも迷いがある」方へ

  • まずは一度だけ試してみてください
    • ショートステイもデイサービスも、1回利用してみると「こんなに助かるんだ」と感じる方が多いです。
  • 罪悪感は要りません
    • ご本人はもちろんですが、介護者が元気でいることが何よりの安心材料です。
  • 専門職に気持ちを打ち明けてください
    • 地域包括支援センターや担当ケアマネジャーは、負担の大きさをご家族と同じ目線で受け止め、具体策を一緒に考えます。

さいごに
介護は「がんばり過ぎない」ことが長続きのコツです。
ご家族が笑顔でいられる時間が増えると、ご本人にもその安心が伝わります。
どうか肩の力を抜いて、使える制度やサービスを遠慮なく使ってください。

お困りの際は、私たち医療・介護のスタッフも力になります。
いつでもご相談くださいね。

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